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公園猫の暮らし 改訂2000年2月21日  この公園の猫はどうやって暮らしているのだろうか？ 猫どものためにミカン箱が2個並んでいること，ときどきその近くに空になった皿が置いてあることまでは気付いてたが，どういった人がそういった物を準備しているのかは，何年もの間謎だった．そこである年の春，公園猫の生活を何日かに分けて調べてみることにした．  公園に誰もいなくなった深夜から早朝の時間帯に，猫好きのおばあさんが自転車を引いてやってくる．自転車のカゴには猫のためのエサがいっぱいだ．おばあさんは公園を簡単に片付けると，エサを皿に盛って段ボール箱の近くに並べる．猫どもはエサの時間をちゃんと覚えていて，この時間になると集まってくる．猫どもがエサを食べ終わると，おばあさんはあたりをきれいに掃除し，みかん箱をたたんで公園の隅に置き，自転車を引いて帰って行く．  この公園には，週に3回，早朝に清掃業者がやってきてホウキがけをし，ゴミを片付けて行く．おばあさんがミカン箱を隅に隠したのは，これが清掃業者に処分されないようにするためだ．だから清掃業者が来ない曜日の早朝は，おばあさんはミカン箱を片付けずにそのままにしておく．  しばらくすると，一人のおばさんがやってきて，公園の隅からミカン箱を引っぱりだし，組み立てる．この時間，ほとんどの猫どもはどこかに行ってしまっている．公園ではお年寄りのゲートボールが始まっている．  昼過ぎ，また別のおばさんが自転車を引いて現われ，昨夜のおばあさんとは違った場所で猫どもにエサをやる．この人は毎日来るわけではなく，また，現われる時間も不規則だ．だから，そのとき近くにいた運の良い猫だけがエサにありつける． |