ダストシュート  「ダストシュート」のフタと，「ダストシュート」の「ゴミ溜め室」である． 各階の階段踊り場にはダストシュートのフタがあり，これを引っ張って開け，ゴミを投入すると，1階階段入り口のゴミ溜め室まで落ちて行く仕組みになっている． しかし現在はダストシュートとしては使用されていない． ゴミ溜め室は古雑誌や段ボールなどをリサイクル用紙回収デーまで一時保管する倉庫として使用されている． そのため，ここにゴミを投げ入れてはいけないのだ． ダストシュートという施設は，ちょっと古いコンクリートづくりの共同住宅でよく見かける設備である． しかし，今でも現役で使用されているダストシュートは珍しいのではないだろうか． 僕が以前暮らしていたマンションにもダストシュートがあったが，使用されていなかった． ダストシュートのついているマンションに暮らす知人宅に寄った際，ダストシュートのフタが階段脇にあったので，今でも使用できるのかと尋ねたところ，「これ何?」と返されたこともあった． ダストシュートのような便利なものがあると，なんでもかんでも放り込んでオシマイにしてしまうのが人間というものである． そのため，火のついたタバコが投げ込まれてボヤになったり，錆びて使えなくなった包丁や割れた食器などが放り込まれてゴミ回収担当者がケガしたり，という事故もあったようだ． 最近のように分別回収が当たり前になって来ると，可燃ゴミ用ダストシュートだのPETボトル用ダストシュートだのを設けなければならず，タイヘンである． 分別回収の普及が，ダストシュートというシステムにピリオドを打ったのではないだろうか? それともう一つ． ダストシュート終点の「ゴミ溜め室」． これが非常に小さい． いや，別に小さいのではなく，現代人の排出するゴミの量が年々増えているのだろう． 今の時代，このような体積では，全フロア住人が1日分の可燃ゴミを投げ込んだだけで溢れてしまうに違いない． 便利なシステムだが，復活する見込みはなさそうだ． [追記] ダストシュートが廃れていった理由が以下のページから理解できる． ダストシュートの興亡 |